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4週間程前からニュージーランドはダニーデンという街の市内にあるフランス料理レストランで働き始めたんですがほぼ毎回怒られたり小言を言われたりしてます。

いわゆるジャパレス(日本料理を提供するレストラン)ではないので当然日本人は自分以外にはいません。上司としてシェフが二人いまして双方ともニュージーランド人ですし、言うまでもなく英語で指示が飛んでくるわけですが、たまに二人のシェフの内の一人である女性シェフの英語の指示が聞き取れなかったり、理解できない事がその人の癇に障ってしまうようでため息つかれたり、語気を荒げられる事がありました。

またこの女性シェフは常に何かしら小言のようなものを発し続けており、傍から見ていると負のオーラを撒き散らしているようであまり気分の良い光景ではないんですね。

最初自分は英語が母国語でもないし指示が聞き取れない事で怒られた時は「もう少し大目に見てくれよ。なんて狭量なんだ」と思ってしまい、また常に小言を発し続けるその女性ボスの姿を見て嫌悪感を抱いてしまい段々と気持ちが離れていってしまいつい先日退職致しました。




◎優しくされたいお子様メンタルになってないか


でくだんのレストランで働く事は「お金以外に得るものもないし、雰囲気もあまり好きではないから」という理由なのとオークランドへ移動する事が決まった為辞めたのですが、少し一歩踏み込んでみて「果たしてこれで良かったのか?」と最近思うようになりました。

というのも英語の指示が聞き取れなかったり理解できない事で怒られた事を気にするという点に関しては、相手に自分の英語力のなさに対して「寛容でいてくれるだろう」と心の中で勝手に期待していたわけで、それが裏切られた瞬間に自分の心がポキっと折れてしまったという事は自分自身のメンタルの有り様が常に優しくされてないと泣き出しちゃうようなお子ちゃま仕様のひ弱なものであり、移り気の激しい女性の心のように丁重に扱ってくれなければいとも簡単に崩れてしまうメンタルの持ち主である証左になるだろうと思うのです。

今後少なくとも10年程は自分で起業なりして一国一城の主になる、あるいはネットで対人関係を常に必要としない技術等を得ない限り宮仕えをしないとお金を稼ぐ事はできないわけで、その過程においては良い上司も悪い上司とも付き合っていかないとならない。よってこんな多少怒られたぐらいでへこたれるようなメンタルで「大丈夫か?」と思ってしまったわけなんですね。

海外(英語圏)に来た当初、英語ができない内は博愛フェロモンのような困ってるオーラを出してるので知らず知らずの内に回りの人達は助けてくれるけど、英語の上達と共に世間もそんなに優しくなくなってくる。プロスポーツにおいて反則スレスレのラフプレーやダーティプレーが通常のプレーの中に染み込んでいるように世間の反応や対応も甘くはなくなってくるという話しをお世話になってるAplac田村さんから聞いた事があります(上達と同時に素晴らしい世界も待っているので一概にこちらの世間を腐しているわけではない)。

考えてみればこの女性シェフが小言を言い続けたりしているのも彼らシェフ二人にとっては世間に名を出し自分たちの腕一本で食っていかなければならないわけであって、一つの信用の失墜が彼らにとっては命取りに成り得る可能性があるわけですよね。おままごとをやってるわけではなくそれなりに切った張ったのビジネスの世界で生きている。

そんな世界で生きている人が「英語ができないからそこんとこ宜しくね〜」と言う人間相手に対して手加減をしている暇があるとは到底思えない。少し怒られたぐらいでヘコんでしまうようなひ弱な人間が不貞腐れようが彼らにとってみれば何一つ知ったことではない。




◎対処法

とは言うものの何らかの対処法があった方がこのマイナス気味のベクトルをプラスに転換できる可能性がありますので、「英語が聞き取れる・できるようになる」≒もっとも定石の解決策だとするならば、今さほど英語ができない段階でも何らかの応急処置というか、不安定な場所を綱渡り的に歩くような感じの対処法が必要になると思います。現実問題として英語の急激な上達というのは望むべくもないので以下に何点か有効だと思われる対処法を自分の備忘録がてら箇条書きにて記してみます。


・苦手な人の取扱説明書を作る
→「相手の事が苦手だ」とかいう負の感情がある場合にただ単に「苦手だな」で終わらせて腫れ物に触れるかのように接するのではなく当該人物の取扱説明書を作って対処する。例えば、作業台が汚れているのをいつも指摘してくるので「少し汚れが目立ち始めた段階で芽を摘んでおく」とか、備品が破損するのをもの凄く気にするので「割れやすい物を扱う時は他のものを扱う時よりも少し丁寧に扱う」とか。またどういう話しをすると食いついてくるのか、普段の何気ない会話の中でそれを発見する力を養い相手の気分を良くしてあげるとか。

この説明書の中身は実際に相対する個人によって千差万別だと思いますので、嫌なやつが100人いたら100通りの説明書を作っておけばひとまず無難にやり過ごせる可能性が高まるんじゃないかと思います。



・ある程度大局的に見てその人のクセ・仕事内容・よく言う発言等のデータ取りをしておく
→これは取扱説明書を作るのとほとんど同じだと思いますが、働き始めて数日とか1週間程度でその人を判断するのではなくある程度大局的、といっても1ヶ月ぐらいでしょうか、仕事内容が差ほど複雑なものでなければ1ヶ月ぐらいもあれば直属の上司の発言傾向やら癖なんかが見えてくるんだろうと思います。例えば、「そんな事言われなくても分かってるような簡単な事でも繰り返し言ってくるような人」だとか、「毎回この指示をしてくる時はこういう英語の言い回しをしてくる」だとか、「少し暇な状況の時はおそらくこういう仕事の指示を出してくるだろうからある程度予測しておく」とか、「こういう状況の時にただ突っ立ってるだけだと毎回小言を言ってくるので、瞬時に他にできる作業を見つけそれに取り掛かる」だとか。

このデータ取りをする事による効能としては、予測可能な出来事を事前に押さえておくことで例え高速英語で全文を聞き取れなかったとしても「部分部分で聞こえた単語」+「データに裏打ちされた予測力」の掛けあわせで言われている指示内容が推測できるようになり、結果として英語が聞き取れないという事象が発生する頻度を限りなくゼロに近づける事ができるんだと思います。


・ナメられないように社交性を維持し可能であるなら見た目も改善する
→日本人同士の職場ですとある程度空気を読むというテレパシーまがいの飛び道具が使用できたり、言わなくてもいい事を言ってしまうと相手の気分を害したりしてしまいますが、欧米圏の職場で働く場合には自分で予測して行動するのも大事ですが都度質問してミスコミュニケーションを減らしたり、ある程度social(社交的)でないといけないな部分が強いように思います。

例えば、「今日はこんな事があって」とか「週末はどういうふうに過ごして」とかその種の雑談力みたいなものは鍛えておいた方が雇用主ともより良い関係性が築けると思いますので、常に2つか3つはすべらない話しを用意しておく。これは日本人同士でも当てはまるかとは思いますが喋らない事によって不利益を被る確率が高まるというのはどちらにおいても存在すると思いますし、要はナメられないようにしておくという事でしょうかね。雑談を楽しそうにしてくる相手なら可愛げもあって情が生まれますし、ちょっとやそっとの事では無碍に扱われる事は少なくなるだろうと思います。

また即効性のある対処法ではないですが、全体的にアジア人は体の線が細いので筋肉をつけてガタイを良くしておくといいんじゃないかと笑。これって何気に見過ごされがちな部分のようにも思いますが、ガタイが良くて見た目的にちょっとやそっと押したぐらいでは倒れないような体格であれば自然とナメられる事も少なくなるだろうと思います。威圧的になるのとは違ってガタイが良い事でオーラをまとうみたいな感覚でしょうか。



・もとからそういう人物なのか、はたまた自分を貶めようとしているだけの人物なのかを見極める
→そもそも自分が何事かを言われる場面を考えた時に、相手にとってはまだまだ自分の仕事の取り組み方に対する不満があるわけでそれをただ単に指摘しているのだと思います。最初の頃は「何でそんなにオレばっかに」とか思うのですが、周りが見えてくるようになると実は他の仕事ができない従業員に対しても同じように接している事が分かり「ああこの人は誰に対してもそう言う人なんだ」というのが見えてくる時がありました。英語だとネイティブが喋ってる事が理解できる時ってあまりないんですが、周りが見えるようになるぐらい自分の仕事に慣れてくるとえらいもんでそういう会話とかも聞理解できたりする瞬間があります。だからこれも上に書いた大局的に見定める部分と重なると思います。


・ある程度空気を読まない鉄のハートを身につける
→これは同僚のイタリア人だとかフランス人だとかを見ていて思うのですが彼らは割りとぐいぐい人に話しかけたり相手の状況に関わらず一方的に自分の話しをしたりと全然空気なんか読まずに働いてるなと感じます。日本人の場合だともともとそんなに喋れる人が多くないのに加えて黙々と着実に仕事をこなす事が勤労の美徳だみたいな感覚がありますが、上に述べたようにこちらの欧米圏の職場では少なくとも社交性を持ってワイワイやりながら仕事をしていくのがマナーみたいな印象を受けます。



対処法は他にもいろいろあるかとは思いますがそれは個々人によって、職種によって、場面によって異なってくる可能性はあるかと思いますのである程度互換性のありそうなものをチョイスしてみましたが、何より今回このテーマを書こうと思ったきっかけというのが上にも記したように多少怒られた事で自己評価(セルフエスティーム)が低下しているなとやや危機感にも似た思いが自分の心の中を支配していたからです。

英語環境の中であれこれ怒られるのは日本語で怒られるのとはまた違った悔しさだとかがあるように思うわけでして、英語ができない≒無能な自分みたいな方程式が出来上がりつつあるなと感じたのでここらで一旦ピシャ!っと負の連鎖を断ち切っておきたかったのですね。

こんなのに勝ち負けがあるわけではないですがこのまま仮に日本に帰ってしまったとしたら絶対に自分の中にしこりというか負け犬意識みたいなものが残ってしまうような気がしたので、それだけは絶対に避けねばならない部分ですし症状が軽い内に対処しておく必要があるなと。これを繰り返していく事でちょっとやそっとの修羅場・現場に対応していける自分になっていければという感じです。

(写真はオークランドCBD)