2ヶ月以上前になりますが、
WA(西オーストラリア)州はNarroginという町からさらに車で40分程内陸に向かったところで、Helpx(ヘルペックス)を通して出会ったホスト宅に二週間程お世話になりました。
WAに来る前はメルボルンにいましたので、3000km以上離れたWAの州都パースまで飛行機で飛び、そこからさらにバスで二時間以上かけて上記のNarroginまでやってきたわけなんですが来て本当に良かったです。
ウーフやヘルペックスで、これまでいろいろ個性的な場所を訪れてきましたが、今回はいろいろ個人的に感化された場所になりました。
ウーフなんかでたくさんの場所を訪ねると、トイレはコンポスト式だったり生活用水は雨水を使用したり、野菜や果物は自分の敷地内で育てたりと生活インフラの自給率が高く、環境にも配慮した家庭はたくさんありました。
今回訪れた場所も上記に掲げた要素は全て満たしていたんですが、他と違って個性的だったのは、壁のない鉄筋で組み立てた小屋が生活スペースとして成り立っていた事です。
リビングルーム
キッチン
小屋の出入り口
ご覧頂いてお分かりかと思いますが、一応”壁みたいなもの”は取り付けられてます。
この壁の正体はプラスチック素材の板でして、防塵・防風の役割をしてるのですが、小屋の出入り口以外は常設されてました。
また電気は引いておらず小型のソーラーパネルを設置して、このようなランプとケーブルで接続し日中に充電したものを夜に明かりとして使うといった具合です。(夜はこんな感じの暗さ)
因みにホスト夫妻の寝室はこの小屋ではなく、この小屋の裏にゲル(モンゴルの移動式住居:英語でyurt)がありましてそこが寝室になってました。自分の寝室もキャラバンでした。
寝る時以外はこの小屋で1日の大半を過ごすわけでして、そんな環境下で二週間生活したわけなんですが、家は別にちゃんとしてなくてもいいなと。
ここでの生活はオーストラリアのアウトバックでキャンプ生活やってるのとほとんど似たような状況だなと思いました。それまで自分はキャラバンパークというキャンプサイトでテント設営してカレー作るぐらいが関の山でしたが、この場所のように圧倒的に物がない状況で生活すると、とりあえず雨・風凌げて基本的な設備さえあって、あとは飯がうまければそれでいいと思えるようになりました。
テレビもエアコンも電子レンジもヒーターも扇風機もプレステもなくそこにあるのは必要最低限の家電製品、移動の為の車、屋根のあるスペースと寝床。
暮らしてて不便か?と言われれば全然そういうわけではないですし、むしろ快適です。
そもそも家って元がちゃんとしてればしてる程その質を保つのに清掃やメンテナンスに時間や費用が取られたり、いわゆる一般的な形をした家は建ったその日から経年劣化がスタートするわけなので、木が腐食したりシロアリに悩まされたり、台風で瓦が飛ばされたり家が傾いてきたり、壁に亀裂がはしってきたり、湿気でカビやキノコが生えてきたり。
しかしこれだけシンプルな作りなら修繕費用もそんなにかからないしなによりシンプル過ぎて客人に対する見栄もないし、多少汚れてるのがむしろ自然。
これから数十年生きていくにあたってこういう生活スタイルでも問題ないと思える自分がいる事を発見した事に大きな意味があるような気がします。「夢のマイホーム」は壁がないかもしれません。
言いたいのは本人がそこに住んでて気持ちがいいなら家の質や形は問わないのだと思います。
「自然の中のキャンプが何故か楽しい」というのが一番分かりやすい例だとは思いますが、この場所はそれをちょっと贅沢にした感じで、寝具はちょっと質の良い物を利用してましたし、本人達も毎日posh bush camping(ちょい贅沢なキャンプ)をやってるようなもんだと表現してました。
究極的にはハイエースみたいな車を改装してそこに住めるのんがいいのかなと思います。