壁のない場所に住む人達に出会って(3)〜自然と一体化する〜


1つ目、2つ目のエントリーの中で写真を何枚か載せてましてお察し頂けるかもしれませんがとにかく生活スタイルがシンプルです。

本当に必要最低限のものしかありませんでしたし、半径数キロ以上に渡って周囲に住んでる人は誰一人いませんでした(無人の家はありましたが)。
別にそれで困る事は個人的にありませんでしたし、逆に何もなさ過ぎるのが良かったとも言えます。

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全部敷地内から見える景色です。

こういう風景を見ているだけでも十分に楽しめるのですが、自分が一番楽しみだったのは毎晩日没後に訪れる圧倒的なまでの暗闇と静寂の時間でした。実際は星空が空を埋め尽くしてますので全然暗闇ではないんですが、ここで意味するのは一切の人工物の明かりがない事を言います。 


こっち(オーストラリア)の星空は半端なくて、 オーストラリア国内を旅した方には共感頂けるかと思いますが、ミルキーウェイ(星雲)なんか本当に文字通り白濁した牛乳が川のように夜空を横切ってます。今まではどれだけ田舎に行っても街灯や生活灯はありましたので星空の光を邪魔する人工物の光がないとなれば何をかいわんやです。

この場所に来て最初の一週間ぐらいはただ単に星空を眺めているだけだったんですが、段々それだけでは飽きたらなくなってきて、わざわざswag(以下写真参照)と呼ばれるテントをホストからお借りして、顔を覆っている部分だけ開けて星空を眺めていました。

swag
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顔だけ出して星を眺めていると顔を寒風が横切るんですが、首から下は温かい毛布に覆われてますので寒気持ちいいんです。また耳に届くのは夜鳥の鳴き声や羽の羽ばたき音、虫の鳴き声など天然のBGMがとても心地よかったです。

実際にswagの中で寝たのは2,3回程度だったかと思いますが何も邪魔するものがない中で星空を眺めていると心が洗われるというよりも無の境地に入るような、自然とこのまま一体化できるんじゃないかと思える程に無心で空を眺めていました。 

この感覚に触発されたのか、数週間後にメルボルンに戻った時にものすごく排ガスや音、そして人の多さに対してすごく敏感になっている自分がいました。

たかだか2週間とはいえ周りに何もない、空気の綺麗な生活が当たり前になってましたんで汚染物質に対する感覚器官が研ぎ澄まされてたんじゃないかと思います。自然の力はやはり偉大です。


写真は日没直前
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